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トールペイントってなに?

トールペイントは、陶器、木、ブリキ、布、ガラス等素材を問わずに様々なテクニックで絵を描くアートの事をいいます。本来Tole ware=ブリキで出来た台所用品に描かれたものだけを指していたこの言葉が、今では幅広い意味で、これらの装飾的な絵全体を指すものとして使われているのです。18世紀前後、ヨーロッパ各地に芽生えたフォークアートがアメリカへ渡って来たもので、新しい伝統文化として親しみやすい夢のあるクラフトとなり、多くの人が楽しんでいます。また、使用される筆や絵の具も改良され、より良い絵が描けるよう工夫されています。デザインが豊富で、誰にでも簡単に絵を描くことが出来ます。上達の楽しみがあり、趣味としても幅広い人気があります。
現在トールペイントには、大きく分けて次のようなものがあります。

<アッセンデルフト>
オランダのアッセンデルフトの地方からとったペインティングで、チューリップ、バラ、スイセン、ヒヤシンス、ユリ等、オランダに咲く花がモチーフになっています。地色は、アッセンデルフトグリーン、グレー、ブラック等を使い、丸筆に2〜3色の色を一度につけ、一筆ですばやくのびのびと描くのが特徴です。色づかいにより、華やかな感じにも、シックな雰囲気にも描くことができます。
<ヒンデーローペン>
同じ丸筆で描くアッセンデルフトと比べて色づかいや性質が違います。最初の頃は色もシンプルで自然な色合いで描いていましたが、1900年頃からグリーン、ブルー、レッド、オフホワイト等独特のヒンデーローペンカラーと言われるようになり、次々と色を重ねていく面白さと重厚感が特徴です。
<ローズマリング>
ストロークと呼ばれる巻いたつるの模様が特徴です。色彩が豊かで絵柄も図案的であり、油絵の具で描く事も多いようです。ローズマリングにはいくつかの様式があり、それぞれノルウェー南部の発祥地の名前がついています。
代表的なものとして、
・テレマーク ストロークと呼ばれる勾玉のような模様を中心に図柄を配置するのが特徴です。
・ログランド ストロークも花も図案も左右対称で、実際の花のように描くのが特徴です。
・ハーレンドール 中心に大きな花を描き、ストロークや小花の他、つる草で構成されているのが
特徴です。
<バウェルンマーレライ>
バイエルン地方より生まれたもので、丸筆を使った一筆描きで描きます。花の他にも、風景、人物、鳥等描いた物もあります。筆の流れは、絵の具の微妙な混ざり具合を楽しめるのが特徴です。
<ジョストボ>
ロシアでは、ティンのトレーに花、果物、鳥等が鮮やかな色で描かれています。ハイライトが鮮明につけられ、縁にライナーワークが施されているのが特徴です。中には、描いた上から、アンティークをかけるとまた違った感じが楽しめます。
<フレンチフローラル>
フランスでは、ティンのトレーに花がリアルに描かれていますが、ロシアのジョストボと比較すると、フレンチフローラルの方が淡く柔らかく描かれているのが特徴です。
<アメリカントールペイント>
アメリカ風土の中で生まれたPrimitive Artの流れを組むカントリー風のものもあり、ベースコートの上に、シェード、ハイライトをつけると立体的になり、初心者にも簡単に取り組めます。動物、人物、花、風景等のモチーフがあらゆる手法を取り入れ自由な描き方ができるのが特徴です。

その他一般にいう油絵やアクリル画の風景のもの、今までの伝統にこだわらない全く新しいデザインのもの等があります。

基本作業

  1. 木目に添ってサンドペーパーをかけます。
  2. タッククロスで木の粉をふきとります。
  3. 好みのシーラーを塗ります。
  4. シーラーが乾いたら、目の細かいサンドペーパーで軽くサンディングします。
  5. 好みの色で、地塗りをします。
  6. グラファイトペーパー、又はチャコペーパーで、図案を写します。
  7. 様々なテクニックでペイントをしていきます。
  8. 出来上がったら、仕上剤を2〜3回乾かしながら塗り、仕上げます。
ポイント
  • ステイン塗り(木目の風合いを残す)の場合は、3.を省き、ステインを塗ります。
  • 仕上剤は、好みにより、2〜3回以上塗ることもあります。

主な技法

<ステイン>
水性と油性があります。布につけて全体にのばします。
<マーブライジング>
メデュームを使ってペイントを混ぜ、スポンジ等でたたき、下地が乾かないうちに模様を描いていきます。
<スティップル>
ドライブラシペイントをつけ、軽くたたきます。
<スパッタリング>
ファンブラシにうすめたペイントをつけ、たたき落とします。
<クラックル>
  • 地塗りをした上に、クラックルメデュームを塗ります。30分程でひび割れができます。
  • 地塗りをしてクラックルメデュームを塗ります。よく乾燥させ、その上にペイントを重ねると
    ひび割れができます。
ポイント
  • クラックルメデュームによって作業工程が異なります。
<アンティーク>
水性、油性があります。描き終わったら一度バーニッシュを塗り、布につけて全体又は部分的に塗って仕上げます。
<スリップスラップ>
湿っている状態にして、サイドロードで筆をランダムに動かし、×(バツ)を描くようにします。